n !」で、ponanza開発者の山本一成が前述の稲庭将棋の戦術を使ってGPS将棋の無理攻めを誘う作戦(山本曰く「400手以上攻めないで待ってると、無理に攻めてくるバグを見つけた」[35])を取ろうとした。あまりにも時間がかかり、順番待ちの人が対局できなくなるために、明文化はされていなかったが、勝又清和の裁定によって引き分けとなった。なお、この作戦が直接影響したかは不明だが、その後のイベントでは256手目まで指して決着がつかなければ引き分けなどのルールが明文化されている[36]。, その他、通常あり得ない手を指すことにより、考察する分岐を省いて計算するコンピュータにバグのような挙動をさせることができる。基本的に同じ挙動をするコンピュータでは、相手に応じて指し手を変化させることのできる人間には不利になってしまう戦法である。, 第2回将棋電王戦第5局の総括インタビューで三浦弘行は「事前の研究で、GPSの弱点には気づきませんでしたか?」と質問されて「明らかな癖などは見つかりませんでした。でも逆に、それでよかったと思っています。もし見つかっていれば、そこを衝くべきかどうか思い悩んだでしょうから。弱点を衝いて勝ったとしても、それで勝ったといえるのかというところがありますので。ただ団体戦だから、本当はやりたくなくてもそうすべきだという考え方もありますし・・・難しいところです」と答えている[37]。, 高見泰地は「(自分が電王戦の対局者だったらどうするかとの問いに)まず貸し出されたソフトで本番と同じ環境・時間設定にして同じ作戦を試して、どのくらいの確率で使えるのか、もちろん研究はしますね。ただ使えたとしても、やはり『ハメ手』ではあるので、今回のような一発勝負のイベント対局ではいいと思うんですが、電王戦では(プロとしての)自尊心の問題も出てくると思います。難しいですね」と答えている[38]。, 電王戦FINALの第二局において永瀬拓矢がSeleneに対し「2七角不成」という通常あり得ない手を指した[39]。ソフトウェアは角、飛、歩が成らない局面を省くことで探索効率を上げており、こういった手を指し、ソフトウェアに一から計算させることで持ち時間を使わせることができる。この対局の場合はSeleneに角不成を認識できないバグがあり、王手放置によって反則負けとなった[注釈 2]。この時、開発者は事前にバグを察知できていなかった。, 電王戦FINALの第五局において阿久津主税があえて自陣に隙を作ることでコンピュータの「2八角」を誘い[40]AWAKEに勝利した(開発者による投了)[41]。この戦法は、ponanza対策として以前から知られていた戦法の一つであり、コンピュータ将棋が短期的には有利と評価されても、長手数後に不利になることを読めない(計算コストの問題からその前に探索を打ち切る)ことに基づくコンピュータ将棋共通の弱点(水平線効果)を突いたものである[42]。対局前に弱点は明らかになっていたが、プログラムの修正は認められていなかった。, 評価値0点は全くの互角を表し、プラスの場合絶対値が大きいほど有利、マイナスの場合絶対値が大きいほど不利である。多くのソフトでは、絶対値が大体200点以内が互角、絶対値が数百点の場合有利(不利)、絶対値が大体500~1000点くらいまでの場合が優勢(劣勢)、絶対値が数千点以上の場合が勝勢(敗勢)となる。即詰みや必至などの理由で事実上勝敗が決している場合は、絶対値は「∞点」か、表現できる最大値(ソフトによって異なる。例えば「9999点」など。詰みを「99999点」、必至を「50000点」などとすることで詰みと必至を区別している例もある)で表現されるほか、ソフトによっては「Mate:XX」(XXは完全に詰むまでの手数)という形式で表される。このほかソフトによっては、「-1点」が千日手が最善と判断したことを示すなどの特殊な場合もある。, Ponanzaの場合、大体300点くらいで勝率6割、800点で勝率8割くらいと仮定している[43]。 コンピュータ将棋(コンピュータしょうぎ)は、コンピュータによる将棋の対戦、また将棋を指すコンピュータおよびそのプログラムそのものである。, コンピュータが得意とする詰将棋については指将棋に先行した。1967年には日立製作所の越智利夫を中心とするグループが同社の5020Eを使用して詰将棋を行わせることに成功。加藤一二三(当時八段)が60秒で解く問題を90秒で解くなどアマ初段の腕前とされた[1]。さらに1968年、越智らは「初の詰将棋を解くプログラム」を発表している[2]。一般的な盤面と指し手を目標としたプログラムの開発が始まったのはこれよりも遅れ、1970年代中ごろと言われている。「人工知能、知識工学の完全情報ゲームへの応用」というテーマでコンピュータによる指し将棋システムの開発をしていた、早稲田大学大学院理工学研究科の大学院生であった瀧澤武信(後に早稲田大学政治経済学術院教授、コンピュータ将棋協会会長)をメインプログラマーとするプロジェクトチームによって、1974年11月から開発が進められ、翌1975年5月に完成したものが、おそらくは世界で最初のコンピュータ将棋であり[3]、2010年に情報処理学会が日本将棋連盟に渡した挑戦状にも、この年を起点とした「35年」という開発の歴史の年数が記されている。瀧澤は初期のコンピュータ将棋として自分たちのものの他、大阪大学の奥田育秀、牧野寛、木沢誠らのもの、東京農工大学の小谷善行のもの、を挙げている。瀧澤らの開発の目的は、作家の斎藤栄の「江戸時代の天野宗歩が現代の花形棋士(当時の中原誠や米長邦雄)と戦ったらどうなるのかコンピュータでシミュレーションしてくれませんか」という依頼に応じることであった。その後、日本情報処理開発協会の催しでも数回実演し、序盤を過ぎると目を覆いたくなるような解説のしようがない手を連発して、解説に来た中原らを困らせた[4]。, コンピュータ同士の対戦がおこなわれるようになったのは1980年前後のことである。1979年に早稲田対阪大で対戦がおこなわれ、阪大が勝った。1981年の早稲田対農工大では早稲田が勝利。当時のコンピュータの速度では、対戦が終わるまでに日が暮れるどころか年が暮れるため、竹内郁雄が「コンピュータ、人、人」という順序で2/3は人が指す「ハイブリッド対戦法」を提案した。瀧澤武信と小谷善行(と、おのおののコンピュータ)の間で、1982年から1983年にかけて(変則ルールでも結局、年が暮れてしまった)対戦が行われた[5]。, 1980年代に入ると初期のパーソナルコンピュータ(当時はマイコン)が普及し、アスキーマイクロオセロリーグが1980年から行われている。興味の対象は徐々に、より複雑なゲームである将棋に移行し、1980年代中盤には、コンピュータ将棋のゲームソフトが市場に出回り始めた。当時はハードウェアの性能も低く、評価関数も簡単なものであったため、人間に比べて非常に弱いプログラムであった。アマチュアの級位者レベル以下であったことは間違いなく、そのような級位はないが20級程度といわれていた。ファミリーコンピュータでも1985年に内藤九段将棋秘伝が出た。, 1980年代後半には、多数のコンピュータ将棋プログラムが誕生しており、ファミコンのゲームソフトとしてもコンピュータ将棋が製品化されるようになった。これが「どのプログラムが最も強いのか」という興味を惹くこととなった。, 将棋ソフトのプログラミングに興味を持つ有志らが集まり、1986年に『コンピュータ将棋プログラム』の会が発足した。翌年、『コンピュータ将棋協会』に改名された(略称: CSA)。彼らが主体となり、世界コンピュータ将棋選手権が年1回開催されるようになった[6]。記念すべき第1回大会は1990年12月2日、将棋会館で行われた。参加ソフト数は6つ、優勝したのは『永世名人』であった。, 2002年の第12回以降は(2017年までは)毎年5月上旬のゴールデンウィーク期間中に開催されており、毎回約40種のプログラムが参加している。, 世界コンピュータ将棋選手権の大会ルール[7]に、対戦のためのプロトコルも定められており、2017年現在では対戦サーバを介してオクテットストリームで行うこととされている。なお、対戦サーバが利用できない場合など(あるいは、以前は)、シリアル(RS-232)通信や手入力の規定で対戦が行われる。持ち時間は10分だが、1手指すごとに持ち時間に10秒が加算されるフィッシャークロックルールを採用している。, 1995年にアマ初段レベルに達した将棋ソフトは、2年で一段のペースで棋力が上がっていった。そして2005年、『激指』の優勝により、県代表クラスに到達した。その後、プロとの公開の場での対戦の規制などが敷かれた時期などがあったことなどにより不透明な点もあるが、201x年代のうちには、最強クラスのコンピュータ将棋とトッププロとの対等と言える対戦が現実的なものとして議論されるようになった(詳細は後述)。, 第16回以降の大会では、開催期間中インターネット上で棋譜のライブ中継が行われている。, 公開対局において、2009年までは人間対コンピュータの対局ではコンピュータが負けることが多かったものの、2010年から2012年にかけての公開対局ではコンピュータ側の勝率が9割を超えている[8]。基本的に、コンピュータ将棋は持ち時間が短い対局の方が人間に対して有利である。2011年には、1手30秒などといった早指しなら、米長邦雄によると、プロ棋士に対しても7〜8割以上の勝率をあげるまでになっている。2013年3月30日の第2回将棋電王戦において、ponanzaが佐藤慎一に勝利した。これは長い持ち時間(各四時間)・公開対局・相手が現役の女流を除いたプロ棋士という条件で初めてコンピュータが人間に勝利した事例となった。, コンピュータ将棋が平手でトッププロ棋士を破る日はさほど遠くないと考えられており、松原仁は2005年の時点で、2010年代から2020年までにプロ棋士がコンピュータ将棋に負けると予測し[9]、2012年発行の「人間に勝つコンピュータ将棋の作り方」[10]では、「数年以内にトッププロ棋士に勝つ(複数回対戦し勝ち越す)」と予想された。Puella α(ボンクラーズ)開発者の伊藤英紀は第2回将棋電王戦PVでは2012年現在、既にプロ棋士を超えているとコメントした[11]。トップ棋士の一人である渡辺明は、第2回将棋電王戦第3局に登場したツツカナについて触れ、「現役棋士約160人の半分 (80) 、いや3分の1以上 (50) に相当する力がある、という見方をせざるを得ない」との見解を示した[12]。, やねうら王の開発者・磯崎元洋は2014年10月31日のブログで「上位のソフトは事前貸出なしの条件であればとっくに羽生さんを超えていることは誰の目にも明らかである。超えているとは言ってもソフト側から見て勝率が50パーセントは超えるだろうという程度の意味で、勝率が90パーセントとか100パーセントとかではないので試合としては成立すると思うが…」「しかし、事前貸出1年間だとか、そういう条件がつくならとんでもない茶番であり、羽生さんがゲーム攻略よろしく将棋ソフトの序盤のあら探しに終始することになる。羽生さんのような優れた頭脳を1年もそんな遊びに投入させるべきではない。それこそ社会的損失である」と述べた[13]。, 公立はこだて未来大学の松原仁教授は2015年10月に「羽生さんとの対局が実現していないのは残念だが、数年後には人間が全く相手にならなくなるのは確実で、人間との対決を掲げたコンピューター将棋開発の時代は終わったと考えている」と述べた[14]。, ドワンゴの川上量生は2017年の4月から5月にかけて行われる第2期電王戦をもって電王戦を終了する予定であると発表し、終了の理由について「人間とコンピュータが同じルールで真剣勝負をするという歴史的役割は終わった」としている[15]。, ある局面において『詰み』の有無を判定する作業は、単純な情報処理能力が力を発揮する分野であり、コンピュータは人間をはるかに超える計算力により、容易に詰みを発見することが可能になっている。, コンピュータが得意とする分野であるとも言え、実際に詰将棋プログラムは、対戦プログラムより古く、1968年頃にプログラムで解こうとさせていた、という談話がある[16]。, 詰みに特化した詰将棋の分野では、ほぼ全ての局面においてコンピュータは早々にトップ棋士の解図力を上回った。可能な王手と玉方の応手をすべて検索するコンピュータならではの方法論により、人間を凌駕する実力を備えている。詰将棋の創作にあたって、コンピュータを使用して作品の完全性を検証することは、すでに常識となっている[17]。, 谷川浩司は「詰将棋は自分でも作るんですけども,完成したものをコンピュータにかけるんですよ。そうすると,たいてい1秒で解かれますから。それこそ,かなり複雑な,1年くらいかけて作った詰将棋でも,コンピュータにかけると1秒で解かれるわけです。その詰将棋がちゃんと出来てるって証明にはなるんですけども,ちょっと切ない気分にはなりますよね……(苦笑)」と述べている[18]。, 手数が最長の詰将棋である「ミクロコスモス」すら、解答に成功したプログラム(通常の対戦用のプログラムとは異なり、詰将棋専用の探索ルーチンから成るもの)が報告されている(ミクロコスモス (将棋)#ミクロコスモスと脊尾詰を参照)。, また、対戦用ソフトウェアではない、独自プログラムによる創作の試行も行われている[19]。, 第3回電王戦に出場した豊島将之はコンピュータ対策について「1000局とはいかないが3ケタは練習対局をした」「何度も逆転負けをする中で、序盤の長い将棋や中盤を省略する激しい将棋に勝ち目があると思った」と述べている[20]。第3回電王戦を観戦していた遠山雄亮は「豊島さんはコンピュータの中盤の強さを警戒していました。少しぐらい優位に立っても中盤の難解な局面が続くと簡単に逆転されると。だから、コンピュータに勝つには、序盤の長い将棋にして、中盤に入る時点で大きなリードを奪ってしまうか、逆に中盤のない展開にして一気に終盤で勝負するのがいいと思っているようです。本局は意識して中盤のない展開を狙っているように見えますね。」とコメントした[21]。また、産経新聞も電王戦FINALを総括した記事において「1秒間に数百万〜1000万手以上を読むコンピューター相手では、互角に終盤の寄せ合いに突入したらまず勝ち目はない。中盤も、棋士側が手筋や定跡通りに指していてもコンピューターは正確無比でミスはしない。過去2回の経験からプロ側は『序盤で過激に鬼手を連発し、中盤を飛ばして一気に終盤に持ち込む』作戦が有効と結論づけた」と報じた[22]。, 人間同士の対局では、ミスにより、局面に差がつくケースが多々あり、特に乱戦になると、人間はミスする確率が上がるが、コンピュータは人間よりもミスをしないため、乱戦になった場合はコンピュータの方が有利になると遠山雄亮が2011年に将棋倶楽部24でのボンクラーズとの対局を分析し、コメントしている。また、感情面で動揺したり、集中力が切れたりしないのも強さであるとしている[23]。人間の注意力には限界があり、どんなに注意深い慎重な人であっても、疲労や錯覚などでヒューマンエラーを起こす場合がある[24]。一方、コンピュータは人間と違い肉体的な疲労がない[注釈 1]。そのため、持ち時間の長い将棋で終盤になると、疲労しないコンピュータが相対的に有利になる。また、コンピュータは人間と違い、プログラムにバグがない限りは二歩や二手指し等の反則行為は皆無である。バグの例としては、2015年の電王戦FINAL第2局において、Seleneが角成らずの手を正しく認識できず、王手放置の反則負けをしたという事例がある[26]。, Bonanza以降主流になった機械学習では、プロ棋士の対戦データを元に教師あり学習をしているが、プロ棋士の対局ではほとんど見られない入玉模様になると、駒の配置に関する評価値が0に近い値になる。さらに相入玉になった場合は、駒の点数を計算して勝ちを狙うという、相手玉を詰ます以外の目標が生まれるのだが、これを判断できず適切に指せない状態になることが多い。2013年の第2回将棋電王戦第4局においては、相入玉に持ち込まれたPuella αは点数計算を正しく認識できず、持将棋(引き分け)成立を許すこととなった。, しかしながら、コンピュータが生成した膨大な数の局面を教師として学習したり、学習におけるパラメータを増加させて実戦が少ない局面の評価能力を向上させた結果、コンピュータ将棋の入玉模様は短期間で大幅に向上した。2015年の第25回世界コンピュータ将棋選手権では、コンピュータ将棋の公式戦で初めてSeleneが入玉将棋においてコンピュータ自身の読みと判断により宣言法による勝利を上げて同大会の独創賞を受賞した。強豪ソフトにおける入玉将棋の強さと宣言法の実装はほぼ標準化されており、2016年の第4回電王トーナメントでは、ponanzaとやねうら王が1度ずつ入玉将棋を宣言法で勝利している。, プロ棋士が積み上げてきた定跡は完璧ではなく、研究会や対局、感想戦を経て日々進歩しているものであり、棋譜以外の情報は将棋世界などの専門誌を通じ極一部紹介される程度で多くは公開されることはない。ソフトはその限られた情報を元に序盤戦術を構築していた。また、データベースにない新手を指されると(それが正しく受ければ不利になるものであっても)対応しきれないことが多い。序盤は定跡データベースを利用しているが、「なぜそのような駒組みにするのか」を理解して指すわけではない。そのため、2011年現在、定跡データベースから外れた場合に、おかしな手をさす確率が終盤よりも高く、また、まだ攻め始めてはいけないタイミングで攻め始めてしまうことがあると遠山雄亮が分析している[23]。古作登も2012年現在、均衡状態でコンピュータの手待ちをすると、コンピュータがスキを作っておかしな攻め方を始めたり、穴熊に組み替えようとしてその途中でスキを作ったりすることがあると指摘した[27]。, 近年[いつ?

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