僕は、小説のブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』です。創元推理文庫から出ている本です。あの分厚い本ですね(笑)。, あとは、アニメや漫画の登場人物としてよく出てきますよね。例えば……最近、アマゾンで視聴した「化物語」以外に、思い浮かばないですが……(笑)。, そう言えば、いつから、どこで吸血鬼伝説は流布したのだろうかと。そもそも、吸血鬼って何ぞ?と(笑)。, と言っても、簡単に調べただけなので、原著まで目を通していません(言い訳:ロシア語やスラヴ語の基礎学力・語学力がないです……orz)。, 僕の疑問点は3つです。1、どこで、2、いつから流布したのか。3、吸血鬼の定義です。, ⇒南スラブ(バルカン地方):セルビア、クロアチア、ブルガリア、ルーマニアなどを中心に、ロシアやウクライナにも少ないが吸血鬼伝説があるらしい。, ⇒もともと東欧・バルカンの土着的信仰であったが、17世紀から18世紀に西欧の有識者たちが吸血鬼を取り上げたことで、ヨーロッパに吸血鬼信仰が広まったそうです。, ⇒「生ける死体」であり、「死したのち墓処からふたたび肉体のままに現れて(亡霊でなく)、人々に、とりわけ近親者に害をなし、死に引き込む死者である」(平賀、2000年:p16,17)そうです。, また、栗原(1980:p27)によると、吸血鬼とは、「肉体をとって墓から帰還し、生きている人間の血を吸ってその生命力を奪う死者である。」, 例えば、セルビアにおける「吸血鬼」を指す名称は次のとおりだそうです。vukodlak,vampir,lampir,ten(j)ac, vukodlakは、vuk(狼)とdlaka(毛皮)から成る語だそうです。つまり、「人狼」を意味していたそうです[平賀、2000:p28]。, ・そうでない人もある条件を満たせば「吸血鬼」になる恐れがある。例えば、遺骸の上を猫などの動物が超えたとき、墓穴が夜中開いたままになっていたとき, ・聖金曜日・復活祭・クリスマスから公現祭*1までの間・四旬節*2などの祭日に受胎した子[平賀、2000:p30], とにかく、自分たちとは異なる異端者への畏怖というか恐怖があったということなのでしょう。, 平賀(2000:p130)によると、東欧地域における吸血鬼の特徴をまとめると次の通りです。, ・異常な様態を示す死者、および正しい葬儀の行われなかった死者。猫がその遺骸の上を飛び越えたときや頬が赤い、硬直しないなど。, 死者が生前いくら善行を積んでいようが、どんなに立派な人だったとしても、「吸血鬼」にされてしまうことがあったそうです。, それこそ、こちらの厚意で相手に接していたら、相手から「私、好きな人がいるからと……」なぜか勘違いされて、そして、なぜか僕が振られたことになった、あの時の理不尽さを思い出しました。, 吸血鬼伝説は、死後に帰って来て、妻と共寝し、子供を作る話が多いそうです[平賀、2000:p131]。このように死者が生前と同じように夫婦生活を続けるために帰還するという民間信仰は、「神々の結婚」の神話に遡源するそうです[栗原、1980:p33]。, 例えば、栗原はフレイザーの『金枝篇』を引用しています。古代バビロニアの事例とエジプトのテーベの事例です。, まあ、とにかく、吸血鬼は帰ってきて、子供を作ると。そして、バルカンにある民間信仰では、吸血鬼と生きている妻との間に子供が生まれると、その子供のみが吸血鬼を発見して、退治することができるそうです[栗原、1980:p36]。その子供は、歯がなく、骨のない奇形児だそうです。並行関係として、竜退治の神話があるそうです。竜の子のみが竜を退治する話です。, しかし、「東欧の「吸血鬼」が血を吸うことは決して多くない」そうです[平賀、2000:p132]。平賀によると、「吸血」は「吸血鬼」の本質ではなく、血は体液の一つであり、夢魔や魔女が精気を奪うことと同義であり、「生気を奪う」ことの比喩表現だそうです。さらに、吸血するときも、首筋からという事例は少ないそうで、胸からが多いそうです[同:p133]。つまり、吸血はリアリズムではなくシンボリズムですね。, 例えば、夜に寝床に忍び込み、寝ているものを窒息死させること(=夢魔の行動)や家畜を殺すこと(=魔女の行動)や人狼や竜殺しの話との並行性など。, 栗原の研究によると、吸血鬼信仰の成立領域は、バルカンの東南スラブ領域だそうです。そして、吸血鬼信仰の基礎をなしているのは、病魔信仰と夢魔信仰であると述べています。また、吸血鬼は人間を窒息させてからその血を吸うことを特徴としています[栗原、1980:p255]。, 夢魔は、バルカン・スラヴの間では、「モーラ」(mora)という名称でよばれているそうです。そして、モーラは、人間の窒息させて心臓から血を吸うとかんがえられているそうです[栗原、1980:p109]。, ロシアにおいては、「キキーモラ」(kikimora)という妖精があてはまるそうです。, kika(お下げ髪)やkikat`(キーキー言う、叫ぶ)という動詞に結び付く説があるようです[同上:p125]。, キキーモラは、洗礼を受けずに死んだ子供あるいは両親に呪われて死んだ霊だそうです[同上:p125]。, また、キキーモラは、家*3に住む妖精であり、小人の女の子と想像されており、暖炉の陰に住み、はだか、はだしでとびまわり、決して年を取らないとされているそうです。また、「マーラ」(mara)や「マルーハ」(maruxa)という類似した妖精も知られているそうです[同上:p126]。, 1492年という年は、ビザンツ暦によると、天地開闢の日から数えて7千年が満了し、キリスト再臨による新しい至福な1千年が始まる年だったそうです。ところが、ビザンツ帝国の滅亡(1453)をはじめとし、ロシア各地での疫病の流行、飢饉、異教徒の戦争*4、が重なり、世界の終末の兆候だと考えられていたそうです[栗原、1980:p144]。, つまり、世界崩壊への不安とキリスト再臨への期待が錯綜する終末観であったということでしょう。, ペストは、ごく短期間に多くの人が皮膚に出血斑を残して死にます。そして、大量のペスト感染者が迅速的に埋められたり、放置されるわけです。しかし、まだ完全に死んでいない人もいるわけで、屍の中から立ち上がり歩き回るわけです。ウォーキング・デッドをするわけですよ(笑)。, つまり、「早すぎた埋葬」が原因だったのに、「死者の蘇生」と解釈されたというわけです[栗原、1980:p145]。結果的に、ペストの原因を吸血鬼のせいだと幻想していたわけです。, また、興味深いのは、ペストはスラブ語で多くの場合、女性名詞だそうです。そして、ロシア語では、「チューマ」と呼ばれ、ペストを女性の疫病神として擬人化していたそうです[栗原、1980:p148]*5。同時に、ペストは、魔女と同一視されることもあったそうです。, 平賀の研究をまとめると、17世紀に知覚革命があり、上流の人々は悪臭に敏感になり、墓地が市外へと移転されたそうです。また、17世紀の中頃から遺言状に、仮死の状態で埋葬されるのではないかという心配が表明され始めたそうです。根拠として、ヴォルテールの史料を上げています[平賀、2000:p185、186]。つまり、「早すぎる埋葬」への恐怖があり、それが吸血鬼信仰と重なったということでしょう。, 平賀[2000:p189]によると、西欧がバルカンに接触するには、3つのルートがあったそうです。, ひとつは、バルカン半島からオーストリアを通って、情報や風聞が運ばれるメインルート。ふたつめは、バイロン・ルート。18世紀のイギリス貴族の子弟は、「グランドツアー」と呼ばれる欧州巡遊修学旅行に出る習慣があり、後にギリシアを訪れることが多くなったそうです。そのなかでも、有名な人物にバイロンがいたそうで、そこから平賀は名付けたそうです。みっつめは、スロベニアとクロアチアの一部がまとめられたイリリア属州だそうです。そのようなルートにおいて、吸血鬼が伝えられ、小説化され、吸血鬼文学が成立したそうです。, ハロウィンが……終わる前に、この記事を書いておけばよかったと軽く後悔しています(吸血鬼の仮装した人はいたのでしょうか?)。, *1:1月6日、エピファニー、「キリストの降誕を聞いた当方の三人の賢者カスパール、メルヒオール、バルタザールが星に導かれてベツレヘムの馬小屋を訪れた日」のこと[谷口、1998:p107]。, *2:「謝肉祭後の灰の木曜日から、復活祭前日の土曜日までの四十日間。3世紀以来、信徒は日曜日以外、肉食を慎み断食の苦行をする大斎の期間」のこと[谷口、1998:p107]。, *3:家は宇宙をモデルとし、家の構造は宇宙の構造との類推において考えらていたそうです。そして、ロシア人の神話的思考において、家と人間は同一視されたそうです。なぜならば、民衆の観念において、人の一生の発達段階は家の生命の推移段階と一致し、人の寿命も家の寿命もはぼ同じ時間の枠の中にあると考えられていたからだそうです[栗原、2002:p69、70]。つまり、家という自世界に妖精キキーモラという他世界(異世界)が介入することを意味していたので、死の概念と密接な関係にあったということでしょうか。, *5:興味深いことに、平賀は「吸血鬼」をペストの擬人化とすることは出来ないと述べています。理由として、「ペスト病魔はふつう白衣の女、髪を振り乱した老婆と考えられていた」からだそうです[平賀、2002:p181]。なるほど、対立点は分かりました。しかし、自己満足なので、これ以上深入りしません。, 1月6日、エピファニー、「キリストの降誕を聞いた当方の三人の賢者カスパール、メルヒオール、バルタザールが星に導かれてベツレヘムの馬小屋を訪れた日」のこと[谷口、1998:p107]。, 「謝肉祭後の灰の木曜日から、復活祭前日の土曜日までの四十日間。3世紀以来、信徒は日曜日以外、肉食を慎み断食の苦行をする大斎の期間」のこと[谷口、1998:p107]。, 家は宇宙をモデルとし、家の構造は宇宙の構造との類推において考えらていたそうです。そして、ロシア人の神話的思考において、家と人間は同一視されたそうです。なぜならば、民衆の観念において、人の一生の発達段階は家の生命の推移段階と一致し、人の寿命も家の寿命もはぼ同じ時間の枠の中にあると考えられていたからだそうです[栗原、2002:p69、70]。つまり、家という自世界に妖精キキーモラという他世界(異世界)が介入することを意味していたので、死の概念と密接な関係にあったということでしょうか。, 興味深いことに、平賀は「吸血鬼」をペストの擬人化とすることは出来ないと述べています。理由として、「ペスト病魔はふつう白衣の女、髪を振り乱した老婆と考えられていた」からだそうです[平賀、2002:p181]。なるほど、対立点は分かりました。しかし、自己満足なので、これ以上深入りしません。, 【英語学習】英検準一級レベルから語彙力を鍛えるのにおすすめ!『英語を英語で理解する 英英英単語』, 【おすすめのアイテム】オンライン講義やゲーミングにおすすめなMpowのヘッドセット.

吸血鬼についていろいろなページを読んで、ザックリと特徴をまとめておこうと思ったのですが、Wikipediaだけで充分詳しかった、というか、すごく長かったので、これを中心に自分が見やすいようにまとめ直してみます。 まずは、種類と主に外見的な特徴に関する部分を。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/02 15:14 UTC 版), 腕力は人間を超え、体の大きさを自由に変えたり、コウモリや狼などの動物、霧や蒸気に変身でき、どんな場所にも入り込む。また、催眠術やフクロウ、コウモリ、狼、狐、昆虫といった動物、嵐や雷などを操るとされる。トランシルヴァニアの伝説を元にしたブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』は現代の吸血鬼のイメージに強い影響を及ぼしており、従って東ヨーロッパの吸血鬼は現代のそれに近い。『ドラキュラ』の登場人物の一人であるヴァン・ヘルシング教授は、吸血鬼を「怪力無双、変幻自在、神出鬼没」と称する[1]。, 現代の吸血鬼が持つという特徴の源泉は東ヨーロッパにあった吸血鬼に限られない様々な魔物が持っていた特徴にある。教皇ベネディクトゥス14世はキリスト教啓蒙のために土着信仰を弾圧したが、それが却って埋もれていた魔物の説話を広めることになった。キリスト教布教以前に信じられていた魔物の特徴は以下のようなものである。, これらは吸血鬼の特徴に引き継がれ、ドラキュラ伯の逸話と結び付けられてヴァンパイア像の源泉になった[5]。, 吸血鬼とコウモリの関連は、大航海時代以降にアメリカ大陸熱帯雨林地域を踏破し太平洋を目指したスペイン人が発見した動物の血を吸うコウモリの種類を吸血コウモリ(ヴァンパイア)と名付けたことに由来する[5]。, 19世紀のロマン主義文学は、吸血鬼を異端として描き、その印象を確立する大きな役割を担った。その中でもシェリダン・レ・ファニュの小説『カーミラ』は女性の吸血鬼を描き「(女吸血鬼は)魅惑的でしたたか」という特徴を与えた。この影響からそのような性質の女性にヴァンプという俗称をつけるようになった[5]。, ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』は、ドイツなどヨーロッパにあった怪奇小説(ゴシック・ノヴェル)で描かれた魔物の特徴を取り込みつつ、キリスト教的な要素も加えて巧みに吸血鬼像を創り出した。前者からは「初めて訪問した家では、その家人に招かれなければ侵入できない」とし、後者の例である「十字架を非常に嫌い、護符や聖餅も打ち払う効果を持つ」「十字架、聖水、イコンのような宗教的象徴は、それ自体には効能が無くそれを持つ者の信仰が重要であり、また力のある吸血鬼には通用しないことがある[1]」という部分は当時のヨーロッパでは常識とも受け止められていた考えである[5]。, ビジネス|業界用語|コンピュータ|電車|自動車・バイク|船|工学|建築・不動産|学問文化|生活|ヘルスケア|趣味|スポーツ|生物|食品|人名|方言|辞書・百科事典, 加藤光也解説・立野正裕編 『イギリス文学-名作と主人公』 自由国民社、2009年。, 平賀英一郎『吸血鬼伝承 - 「生ける死体」の民俗学』、中央公論新社<中公新書>、2000年、p63、65。, All text is available under the terms of the, 日光を嫌うため、昼間は墓地や洞窟などに身を隠す(日光を浴びると灰になるというのは近年の映画作品において作られた設定である, 吸血鬼についての報告は複数の被害者の主観から語られるのみで、一向に詳細が見えてこない。吸血鬼とは実態が無い存在であり、それは吸血鬼の力と符合している. また、 催眠術 や フクロウ 、コウモリ、狼、 狐 、 昆虫 といった動物、 嵐 や 雷 などを操るとされる。. 吸血鬼には、大体以下のような特徴がある。. (細かいことを言うと、もっともっとたくさんあるけど、とりあえずこのくらいにしときます). (吸血鬼は、霧状になって、この穴から出入りする), 処女の生血(アンディ・ウォーホルのドラキュラ) Blood for Dracula(Andy Warhol’s Dracula) 1974, 顔色が赤い(フィクションの吸血鬼は青白いことが多いが、民間伝承の吸血鬼は赤ら顔が多い), 動物・昆虫に姿を変えることができる(例:犬、猫、豚、コウモリ、狼、馬、山羊、カエル、雌鳥、蛇、蝶), 初めての家に入るときには、家の中の者に「入ってよし」と言ってもらわなければ入れない, 死体に「生きている者のような変化」が現れることがある。例えば、爪が伸びる、胎内にいた子供を出産する、体が性的興奮状態を示している(男性の場合、見た目で一目瞭然)、などである. 全身の細胞と構造を精神で支配し、体の形を変化させるそうです。 お試しください。, ・墓の周囲に、直径数センチ程度の穴が開いている 吸血鬼(きゅうけつき、英: vampire)は、民話や伝説などに登場する存在で、生命の根源とも言われる血を吸い、栄養源とする蘇った死人または不死の存在[1]。その存在や力には実態が無いとされる[2]。, 狼男、フランケンシュタインの怪物と並び、世界中で知られている怪物のひとつ。また、用語の転用として、不当に人々から利益を搾り取る人間なども指す[3][4]。, ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』、シェリダン・レ・ファニュの『カーミラ』など、多くの創作において登場してきた。生と死を超えた者、または生と死の狭間に存在する者、不死者の王とされる。凶悪な犯罪者の通称としても使われる[1]。ヴァンパイア、バンパイヤ、ヴァンピールなどとも書かれる。, 一般に吸血鬼は、一度死んだ人間がなんらかの理由により不死者として蘇ったものと考えられている。現代の吸血鬼・ヴァンパイアのイメージは、ヨーロッパにルーツがある伝承のイメージが強い[5]。吸血鬼の伝承は古くから世界各地で見られ、古代ギリシアのラミアーやエンプーサ、古代バビロニアのアフカルを皮切りにテッサリアの巫女、ブルーカ(ポルトガル)、ドルド(ドイツ)[5]、東ヨーロッパのヴァンパイアに加え、アラビアのグール、中国のキョンシー等がある。この場合、吸血鬼という名称が用いられているが、人間の血を吸う行為は全ての吸血鬼伝承に共通するものではない。, カタレプシー(蝋屈症)を死亡と信じた人々によって埋葬され棺の中で蘇生した人や、死蝋など埋葬された時の条件によって腐りにくかった死体への錯誤、あるいは黒死病の蔓延による噂の流布により生まれたとされる[1]。, 諸説有るが、1730年代における英語の出版物に「vampyre」の文字があるため、それ以前の時期から使われていた語とされている。一般的にはリトアニア語の「Wempti(飲む)」由来とされる他、トルコ語の「uber(魔女)」[6]、セルビア・クロアチア語の「Pirati(吹く)」も提唱される。, ただしヴァンパイアという言葉が一般的に使用されるようになる18世紀[5]以前から世界各地に吸血鬼伝説があり、それぞれの名前で呼ばれている[1]。中国では、キョンシー以外にも、古来より「吸血鬼」という語があり、これは血を吸う悪霊・亡者という様な意味であったが、転じて現代では欧米風のヴァンパイアの意味としても使われている[7]。日本で初めて「VAMPIRE」の訳語に「吸血鬼」を当てたのは、「人類学雑誌 1915年4月号」に寄稿された、南方熊楠の「詛言について」であるとされる。その後、1920年代を通じて、「吸血鬼」という用語が、「VAMPIRE」の訳語として、日本に定着した。, 一度死んだ人間が蘇ったもの、生きているもの、幽霊のように実体が無いもの、魔女や悪魔、精霊や妖怪などの人間ではない存在、狼男、変身能力を持った人間、吸血動物、睡眠時遊行症者が該当する[1]。, 古くから血液は生命の根源であると考えられており、死者が血を渇望するという考えも古くから存在する。例えばアステカでは人間の心臓と血液を捧げる血の儀式があり、キリスト教では血が神聖視され[1]、古代ギリシアの叙事詩『オデュッセイア』では、オデュッセウスが降霊の儀式を行う際に生け贄の子羊の新鮮な血を用いるくだりがある。このようなイメージが吸血鬼を生み出したと考えられる。, 吸血鬼伝承の形態は、全ての民間伝承がそうであるように地域や時代によって一定しないが、一度は葬られた死者が、ある程度の肉体性を持って活動し、人間・家畜・家屋などに害悪を与えるという点では、おおむね一致している。, ぶよぶよした血の塊のようなものであるか、もしくは生前のままであるとされることが多い。両者とも、一定の期間を経れば完全な人間になるとされることもある。また、様々な姿に変身することが出来るとされる。吸血鬼は、虫に変身する、ネズミに変身する、霧に変身するなどの手段を用いて棺の隙間や小さな穴から抜け出し、真夜中から夜明けまでの間に活動するものとされた。また、地域によって異なるが、特定の月齢や曜日、キリスト教の祭日などの日には活動できないとされる場合が多い。吸血する際は、長い牙が出現するとされている。また、最近では、獲物である人間を惹きつけるために、美しい容姿を持つとされることが多い。, 死者が吸血鬼となる場合は、生前に犯罪を犯した、神や信仰に反する行為をした、惨殺された、事故死した、自殺した、葬儀に不備があった、何らかの悔いを現世に残している、などの例が挙げられる。また、これらの理由以外にも、まったく不可解な理由によって吸血鬼になることもあり、東ヨーロッパでは葬られる前の死体を猫がまたぐと吸血鬼になるとされた[5]。そのため吸血鬼の存在が強く信じられた地域では、墓に大量の黍を捲く、にんにくを置く、茨を置く、一定期間墓の周りで火を焚き続ける、などの予防措置がほぼ全ての死者に対して行われた。, 吸血鬼がその活動によって与える害悪としては、眼を見る・名前を呼ぶ・何らかの方法により血や生気を吸うなどの手段により人を殺す、家畜を殺したり病気にする、家屋を揺さぶる、生前の妻と同衾し子供を産ませるなどの例がある。, 近年では、吸血鬼に生き血を吸われた人間や、吸血鬼に殺された人間が吸血鬼になるとされることも多い。, ドイツでは胞衣を纏ったまま生まれた者は死後ナハツェーラーと成ると言われる[1]。ヨーロッパにおいて吸血鬼伝承の多くが残る地域はバルカン半島のスラヴ人地域であるが、伝承そのものは、ほぼヨーロッパ全土に存在し、東はアナトリア半島・カフカス・ヴォルガ川沿岸地域にまで確認することが出来る。古代ギリシア語のラミアーは、ラテン語に入ってから女吸血鬼全般を意味するようにもなった。またロシアではウプイリという、人間の顔をした巨大コウモリ(美男や美女に変身できる)が伝承されている。, スラブの人々は4世紀ごろには既に吸血鬼の存在を信じていた。スラヴの民話によると、吸血鬼は血を飲み、銀を恐れる(ただし銀によって殺すことはできない)とされた。また首を切断して死体の足の間に置いたり、心臓に杭を打ち付けることで吸血鬼を殺すことができると考えられていた。, 現在の吸血鬼に対する考え方は古代ルーマニアから続いているものである。古代ルーマニアは古来からの宗教や文化が、キリスト教やスラヴ民族と混ざりあう過程を経験した。異なる宗教と文化における矛盾、外からの人々の流入により新たな疫病が持ち込まれ不可思議な死が増加したことに対する答えとして吸血鬼伝承が生まれたと考えられている。この民話では吸血鬼によって殺された者は吸血鬼として復活することになっており、何らかの手段で殺されるまで新たな吸血鬼を増殖させることになる。この段階では吸血鬼は知性のない動物のような悪魔として扱われている。, カトリック教会地域における吸血鬼伝承は12世紀ごろから急激に消滅し、それ以降「夜間活動する死者」の伝承は、肉体性をまったく持たないもの、すなわち日本語で言う幽霊のようなものへと変化している。また、東ヨーロッパやバルカン半島においては、エンプーサ[8]、モルモー[8]、ヴルコラク[9]、ストリゴイ、ヴコドラク、クドラクなど様々な吸血鬼伝承が存在している。, ルーマニアで最も一般的な吸血鬼はストリゴイ(自殺者、犯罪者、魔女、吸血鬼に殺された者、七番目の息子、猫に飛び越えられた死体、片思いの末に結婚出来ずに死んだ者が成る)である。私生児の親から生まれた私生児が死後成ると言われており、またブルガリアではウボウル・ヴァピール・ヴルコラク、ポーランドではウピオル、ロシアではウピルが知られている[1]。, マレーシアでは空を飛ぶ頭と首のペナンガラン(宗教的な苦行の最中に誤って首を切り落とした女性が成る)、インドネシアでは強姦されて妊娠した女性が甦り、男性の血を吸うスンダル・ボロンが伝えられている[1]。また、同じくマレーシアとインドネシアには、ポンティアナックと呼ばれる白い服を着た女性の吸血鬼の存在が伝えられている。, 永遠の若さをもつとされるのはヴィクトリア朝時代に入ってからである。現在の吸血鬼の多くは、不老不死で知性的な、多くの不思議な力を持つ者として描かれる。吸血鬼は霧、オオカミあるいはコウモリに変身することができるとされる。また、古来から鏡には人間の魂を映し出す力があると信じられていた為、肉体と魂の結びつきが弱いとされる吸血鬼は、鏡にその実像が映らないとされる。, 吸血鬼の存在を信じていた人々にとっては現実に差し迫った脅威であり、とくに農村部などにおいては、不可解な事件が発生した際に、多くの吸血鬼退治が現実に行なわれた。この吸血鬼退治は、ごくわずかではあるが20世紀になってからも行なわれたことが資料によって確認されている。, 具体的な退治方法としては、首を切り落とす、心臓に杭を打つ、死体を燃やす、銀の弾丸もしくは呪文を刻んだ弾丸で撃つ、などの方法が挙げられる。また、葬儀をやり直す、死体を聖水やワインで洗う、呪文などを用いて壜や水差しに封じ込める、などの死体を損壊しない方法がとられることもあった。, 吸血鬼退治は、聖俗の両権力から不当に死体を損壊する不道徳な行為であると考えられていたらしく、吸血鬼退治に関する禁令が出ることもしばしばであり、少なくとも近世以降は、吸血鬼という概念は知識階層にはあまり真に受けられるものではなくなっていたことが窺える。ただし農村部などでは、農民の反発を恐れた地方領主や役人が吸血鬼退治を看過することはとくに珍しいことではなく、禁令はたいていの場合無視されていた。, 2004年1月、ルーマニア南部の寒村で、76歳で他界したペトラ・トーマンが、埋葬後に親族の男性6人によって掘り起こされ、心臓を切り取られるという事件があった。この行為は現代では犯罪であり、数日後、警察によって捜査、立件された。ペトラ・トーマンは生前は村人に親しまれ尊敬された人物であった。しかし、死後、親族がペトラ・トーマンがよみがえって血を吸った夢を見たといい、また、親族の数人が病気になった。このため、親族の一部はペトラ・トーマンが吸血鬼になったと信じ、前述の凶行に及んだ。切り出した心臓を焼いて灰にし、その灰を病気になった親族に飲ませたところ、悪夢もみなくなり、病気も全快したと犯行に及んだ親族は主張した。, このように一族や地域コミュニティに病気が発生したとき、その原因を一族の死者に求める民俗はヨーロッパに広く見られる。死者の復活を防止するために心臓を抜き出して焼き、死者の首を切断したり、歩けないように足を折って足の位置を変える(足を胸の上に置くなど)、焼いた心臓の灰を病気になった人に飲ませるなどの行為を行う。ヨーロッパだけでなく、ヨーロッパからの移民が多いアメリカでも19世紀までしばしばこうした行為が行われた。, 腕力は人間を超え、体の大きさを自由に変えたり、コウモリや狼などの動物、霧や蒸気に変身でき、どんな場所にも入り込む。また、催眠術やフクロウ、コウモリ、狼、狐、昆虫といった動物、嵐や雷などを操るとされる。トランシルヴァニアの伝説を元にしたブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』は現代の吸血鬼のイメージに強い影響を及ぼしており、従って東ヨーロッパの吸血鬼は現代のそれに近い。『ドラキュラ』の登場人物の一人であるヴァン・ヘルシング教授は、吸血鬼を「怪力無双、変幻自在、神出鬼没」と称する[1]。, 現代の吸血鬼が持つという特徴の源泉は東ヨーロッパにあった吸血鬼に限られない様々な魔物が持っていた特徴にある。教皇ベネディクトゥス14世はキリスト教啓蒙のために土着信仰を弾圧したが、それが却って埋もれていた魔物の説話を広めることになった。キリスト教布教以前に信じられていた魔物の特徴は以下のようなものである。, これらは吸血鬼の特徴に引き継がれ、ドラキュラ伯の逸話と結び付けられてヴァンパイア像の源泉になった[5]。, 吸血鬼とコウモリの関連は、大航海時代以降にアメリカ大陸熱帯雨林地域を踏破し太平洋を目指したスペイン人が発見した動物の血を吸うコウモリの種類を吸血コウモリ(ヴァンパイア)と名付けたことに由来する[5]。, 19世紀のロマン主義文学は、吸血鬼を異端として描き、その印象を確立する大きな役割を担った。その中でもシェリダン・レ・ファニュの小説『カーミラ』は女性の吸血鬼を描き「(女吸血鬼は)魅惑的でしたたか」という特徴を与えた。この影響からそのような性質の女性にヴァンプという俗称をつけるようになった[5]。, ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』は、ドイツなどヨーロッパにあった怪奇小説(ゴシック・ノヴェル)で描かれた魔物の特徴を取り込みつつ、キリスト教的な要素も加えて巧みに吸血鬼像を創り出した。前者からは「初めて訪問した家では、その家人に招かれなければ侵入できない」とし、後者の例である「十字架を非常に嫌い、護符や聖餅も打ち払う効果を持つ」「十字架、聖水、イコンのような宗教的象徴は、それ自体には効能が無くそれを持つ者の信仰が重要であり、また力のある吸血鬼には通用しないことがある[1]」という部分は当時のヨーロッパでは常識とも受け止められていた考えである[5]。, 18世紀以降、多くの東ヨーロッパの吸血鬼伝承及び事件が、西欧に伝えられ始める。これらの伝承や事件は既に低価格化していた出版物によって、一般の間でも流行した。吸血鬼の頻繁な活動が報告された17世紀から18世紀の間は未だ医学が十分に発達しておらず、疫病や迷信のはびこる時代でもあった。そのため不可解な死、カタレプシーや仮死状態からの甦生などが伝承化された。これらの伝承や事件の中には事実として報じられたものもあるが、現代の怪談や幽霊話と同様、信用するに足らないものであった。, 文学的モチーフとしての吸血鬼は、バイロンの主治医ポリドリの作でバイロン作と伝えられた『吸血鬼(英語版)(The Vampyre)』を嚆矢とする(この作品についてのエピソードはメアリー・シェリー、ディオダティ荘の怪奇談義の項を参照)。この作品に登場する吸血鬼ルスヴン卿は、ハンサムな貴族然としており、美女の血を好み、何度死んでも蘇る不死者として描写される。そうしたルスヴン卿の貴族然とした吸血鬼像を受けて19世紀中頃に登場したのが安価で低俗な小説の通称ペニー・ドレッドフルの代表作である『吸血鬼ヴァーニー』である。主人公で吸血鬼のフランシス・ヴァーニー卿は、牙を持ち、犠牲者の首筋に2つの刺し傷を残したり、窓から侵入して乙女を襲う、催眠術を使えるなど、現代の標準的な設定の多くの基となっている。しかし、十字架やニンクを嫌う、昼間は行動できないなどの設定はない。その後、1872年に登場したのが女吸血鬼カーミラを主人公とする『カーミラ』であり、しばしばカーミラは女吸血鬼の個人名として有名である。血液での湯浴みなどは、バートリ・エルジェーベト(エリザベート・バートリー)やジル・ド・レイといった実在の人物の逸話をモチーフにしている。, 以上の吸血鬼像を踏襲しつつ、1897年に登場したのがルーマニア(トランシルヴァニア)の領主ヴラド・ツェペシュをモチーフとしたブラム・ストーカーの怪奇小説『吸血鬼ドラキュラ』であり、上述された今日おける一般的な吸血鬼のイメージが確立された。また、吸血鬼ドラキュラはユニヴァーサルホラー映画などの映像化によってもよく知られ、ドラキュラは、男性吸血鬼の代名詞的存在になった。, ホラーからコメディまでさまざまな要素を加えながら、現在も吸血鬼文学の系譜は旺盛に拡大を続けている。, 加藤光也解説・立野正裕編 『イギリス文学-名作と主人公』 自由国民社、2009年。, 平賀英一郎『吸血鬼伝承 - 「生ける死体」の民俗学』、中央公論新社<中公新書>、2000年、p63、65。, 井上嘉孝 吸血鬼と恐れの変容 心理臨床における異界との関わりについての一考察 Vampires and the transformation of fear:a study about the relationship with the other world in psychotherapy, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=吸血鬼&oldid=77837518, 日光を嫌うため、昼間は墓地や洞窟などに身を隠す(日光を浴びると灰になるというのは近年の映画作品において作られた設定である, 吸血鬼についての報告は複数の被害者の主観から語られるのみで、一向に詳細が見えてこない。吸血鬼とは実態が無い存在であり、それは吸血鬼の力と符合している, 『ヴァンパイア―吸血鬼伝説の系譜』Truth In Fantasy 森野たくみ 新紀元社, 『吸血鬼伝説』「知の再発見」双書 ジャン マリニー(Jean Marigny) 中村健一訳 創元社, 『真実のバンパイア』スティーブン・カプラン(Stephen Kaplan) 宇佐和通訳 廣済堂出版.

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